マーケティングと心理学の技術

マーケティングと心理学

マーケティング

 マーケティングについて、フィリップ・コトラー( Philip Kotler )の定義によれば、 「マーケティングとは、製品と価値を生み出して他者と交換することによって、個人や団体が必要なものや欲しいものを手に入れるために利用する社会上・経営上のプロセス」ということです。この定義は、売買・物々交換に関係した幅広い概念であり、 社会経済学やマクロ経済学の立場からは、より広義に「消費者と供給者の間の交換」であるとか、「社会に対する生活水準向上活動」といった定義も行われいます。

 マーケティングは、「商品・サービスの売り上げから利潤をあげるために、消費者の動向・嗜好を調査・分析をすること」や、「(それらの)調査・分析の結果に基づいて商品・サービス販売を行う行為」の意味で使われることもありますが、これらはマーケティングの一部概念とみなされており、特に前者はマーケティングリサーチと呼ばれています。なお、リサーチとは関係なく、販売ルートを最適化して利益をあげるようなものもマーケティングであり。 マーケティングが関わる分野は非常に広いものです。

 ここで、マーケティングを知る上で、ご存知だと思いますが、有名な寓話を紹介しておきます。
 ある靴メーカーのマーケティング担当者2名(A氏とB氏)が、未開の地にマーケティングリサーチに行きました。その国でリサーチを始めると、なんと!その国で靴を履いている者が誰もいなかったのです。
 そこで、マーケティング担当者のA氏は「誰も靴を履いていないこの国では、靴の需要など全く期待できない」と考え、すぐに帰途に就く準備を始めてしまいました。
 もう一人のマーケティング担当者のB氏は「靴を履くこと自体が広まっていないこの国なら、靴の必要性を説けば、この国の全員が市場になる。こんな有望な市場はない」と考え、すぐに、靴の利便性を啓蒙するプラン作りに着手しました。

 さて、あなたなら、どう考えますか?

 似たような例は、どこにでも起きています。ある店舗にマーケティングリサーチに行くと、自社商品及び同等品が全くなかったので「この店では、自社商品は扱ってもらえない」と考えるか、「自社商品の良さを客に知ってもらう提案プラン作りをする」と考えるか、また、自社商品の競合商品が置いてあるものの自社商品が全く置いていない店だったら、「競合商品が既にあるので、自社商品は扱ってもらえない」と考えるか、「自社商品と競合商品との比較を具体的に提案すれば扱ってもらえる」と考えるか。

 さて、先ほどの「靴」の話ですが、答えは、『どちらも、あり』です。A氏は、「確実に収益を上げる新たな市場を探し、注力していく」と考え、B氏は、その反対に「潜在需要に賭け、市場を創造していく」という考えです。成功への道筋は、考える人の視点の持ち方で変わっていき、それは無限にあります。

 つまり、マーケティングとは、自社商品を、より多くの顧客に買ってもらう(多く販売する)その成功する確率を上げていく考え方を組み立て、実践していくことです。

 マーケティングの基礎知識については、説明し始めると膨大なものであり、また、書籍も沢山出ていますので、そちらに任せ、このサイトでは、余り知られていないマーケティング技術の現場について説明・紹介したいと思います。


 マーケティング戦略は、その時代・市場により、最適なものは異なっていきます。
 現代においては、情報技術(IT)を活用したマーケティングが必須となってきており、そして、ビジネスの場は、店舗、通販、ネット(ウェブ)の世界と広がり、モノが簡単に売れなくなっているのが現状です。

 では、インターネット(Web ウェブ)でマーケティングを行うについて、どうでしょうか?
 残念なことに、ネット(Web ウェブ)自体の歴史が浅いためか、ネット(Web ウェブ)マーケティングを学ぼうとすると文献が少ないのが現状です。SEO対策やネット消費者の心理・動向・導線といった店舗や通販とは違ったネット(Web ウェブ)特有のダイレクト・マーケティング理論が確立されつつありますが、日本では、まだまだ米国に比べ、かなり遅れている状況にあります。
 インターネット(ウェブ)でビジネス(Web制作、ソフト販売、商品販売など)を行う上で最も重要で必須なネット(Web ウェブ)・マーケティング理論が脚光を浴びようとしています!

Web運用やWeb戦略に活用できる法則は、こちら >>>


「時代の流れ」が売れなくしてしまった!

 現在の消費者にとって、モノを買う環境は、従来と大きく変わっています。それは、情報が簡単に手に入るということです。以前だと、何かモノを購入しようとすると店舗へ出かけたり、資料や通販雑誌やチラシを取り寄せたりと、比較するのも大変でした。しかし、インターネットの普及により、あまりにも多くの情報が簡単に入手できます。また、メルマガの登場で登録すると自動で受信することもできます。

 環境は、便利になりましたが、そのことが、消費者にとって「何が欲しいのか、判らなくなった」という状況も生んでいます。あまりにも多くの情報の氾濫は、消費者にとってのベネフィット(利益)を、見えなくさせてしまっています。結局、供給者(販売者)は、価格競争に走り、顕著な特徴・違いも出せず、デフレ現象は、今も続いています。しかし、この価格競争だけでは、勝ち続けることは、できません。


「49:51」の心理

 多くの情報を列記し、顕著な特徴も違いもない価格のみの比較表示では、消費者は、どこで購入に動いているのか。買うか買わないか、何をもって決断しているのか。それは、非常にわずかな違い「49対51」という微差で決めてしまっていると云われています。そして、その選択の決定は、心理的であり、気持ち次第ということです。

価値観の転換

 商品そのものの価値とサービス・情報という価値の違いが変化し始めています。

 チャネル拡大による在庫過多=モノ余り、そして価格競争=低価格化は、商品の価値を低下させる結果となっています。そして、本来は付加価値であったサービスや情報の価値が上がり、差別化となっています。即ち、商品そのものの情報では、売れなくなっており、それよりも、商品を使うことによるベネフィット(消費者利益)を明確に打ち出せるかどうかが重要になっています。実際、ベネフィットをアピールした高価格品が売れている実状があります。

 マーケティングというと数多くのデータベースの解析作業だけの理論と思われがちですが、実際にマーケティングの現場で使われている手法の中には、行動学や心理学を応用したものが多々あります。普段の当たり前の行動や心理を利用し、そこに「仕掛ける」ことで消費者の購買を促し、確率を高めることができます。

 ● 位置と心の関係 >>>
 何気なく見る店舗の棚、通販やチラシ、そしてホームページの記事。
 無意識にどこを見ているのか。どこが一番目に入りやすいのか。
 心理学の「位置と心の関係」をマーケティングに応用すると・・・  位置と心の関係 >>>


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